デザインの本場 <帽子のかぶり方>
最近の街で見かける、帽子のかぶり方の変化に気がつきました。
それは、キャップのかぶり方なのですが、
帽子のつばをまっすぐにして、頭の上にちょこんと浅めにかぶるのが、
どうやら流行みたいですね。
私のような昭和生まれのおじさんが若かりし頃は、
帽子のつばは折りまげて深くかぶるのがかっこいいとされていました。
僕は子どもの頃、野球をやっていたので、
帽子のかぶり方には美意識のようなものがありました。
つばの折りまげ方にもこだわりがあって、
なめらかに曲がっているのがいい、という人もいれば、
直角に曲がっているのがいい、という人もいました。
野球帽とキャップ、似て非なるものがここにはあります。
野球帽というと、それは名前のとおり野球のための帽子ですから、
ぴったりしている方がいいのです。
今でも高校球児はみんなぴったりと深くかぶっています。
ではキャップというとそれは、音楽的なものから来ているのではないでしょうか?
あまり詳しくはありませんが、
ヒップホップ的なファッションの影響があると思われます。
しかし、今そのようなかぶり方をしている人が、
他のシャツやジャケットがヒップホップ的かというとそうでもありません。
でも、全体としてそのかぶり方をしておしゃれな感じがするのです。
野球帽的な「つば折り深く」のかぶり方から、
キャップ的な「つばまっすぐ浅く」への変化は、
脱こだわり、脱ポリシーというものが見えてきます。
「つば折り深く」からは帽子そのものへの
主張やこだわりが感じられますが、
「つばまっすぐ浅く」からは全体のバランスとして、
帽子があってかっこいいという感じがします。
このかぶり方をしている現代の若者には、
ヒップホップなどの音楽的なポリシーなどは軽く飛び越え、
トータルでセンス良く服を着るバランス感覚をもっているのだと思います。
帽子があってかっこいいという感じがします。
このかぶり方をしている現代の若者には、
ヒップホップなどの音楽的なポリシーなどは軽く飛び越え、
トータルでセンス良く服を着るバランス感覚をもっているのだと思います。
そういえば、野球帽をかぶっている子どもが最近減りましたね。
TBSラジオの<たまむすび>の博多華丸の出ているコーナーで、
「野球帽のある風景」という特集をやっていましたが、
私が子どものころはみんな野球帽をかぶっていました。
私もそんなにファンじゃなくても巨人の帽子をかぶっていました。
あんなに親しんでいた野球帽なのに、
今、大人になってからかぶると、なんだかちょっとバカっぽく見えるから不思議です。